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床断熱エリアと基礎断熱エリアの区画

床断熱エリアと基礎断熱エリアの区画

ブログ更新テストを兼ねて、さっそく去年年末の事例を紹介。
『5年前に新築した実家が寒い』というご相談を受けて、調査に伺った案件です。

いくつか問題点がありましたが、最大の問題が
「床断熱エリアと基礎断熱エリアの区画がされていない」

床下の断熱が基礎断熱ではなく、床板のすぐ下に断熱材のある床断熱方式の場合でも、一般床より床が下になる浴室と玄関土間は、そこだけ基礎断熱エリアとする工法が一般的です。

そうなると、断熱材の下は外気となる床断熱エリアは、床下が室内空間と一体となる基礎断熱エリアと完全に区画しなければなりません。

床下空間のない玄関土間の基礎断熱エリアはたいていは問題ありませんが、浴室下の基礎断熱エリア、ここに床断熱エリアの冷たい外気が入り込んでいるケースは、実は非常に多い。

案件は、八戸の中堅ハウスメーカーの施工でした。

ここが問題の人通口。奥側が浴室等基礎断熱エリアで、基礎に断熱材が張られているのが見えます。
床下は点検のために、全ての区画が見て回れる必要があります。
なのでこのように人の通れる開口をあけておく必要があるのですが、もちろん区画を貫通する場合は蓋を設けなければなりません。

蓋を設けないということは、室内と室外の間に「玄関ドアが入っていない」のと同じこと。
いくら断熱材を厚くしたところで、これでは暖かくなるわけががありません。


また、区画間の基礎パッキンが通気パッキンでした。
基礎と土台の間に挟みこむことで、外気を床下に導入し、床下結露を防ぐ基礎パッキンですが、外気を導入する部分は通気タイプ、通したくない部分気密タイプを使用します。
当然この部分は気密パッキンを使用しなければならない部分なのですが、なぜか通気パッキン。
使い方を全く理解しておりません。

ここから改修工事です。
案件では、浴室と脱衣室の基礎に断熱材が張られていたので、この部分を通らずに床断熱エリアをすべてめぐることができれば、完全にふさいでしまって脱衣室の床に点検口を設ける作戦も取れたのですが、今回はここが通過点となっており、塞いでしまうと奥の点検が不可能となるため、取り外し可能な蓋を設けます。

まずは、人通口に木枠を設けます。木枠はL型にして、蓋が奥に落ちないようにし、蓋と枠が接触する部分に気密のスポンジを貼っておきます。
施工は、きゅうでん建築のさん。
やっかいなのが、人通口に配管が通っている件。人通口は人が通る穴であり、配管を通す穴ではありません。
これのせいで3センチの木を2段つむことになり、開口がかなり小さくなってしまいました。私のオナカでぎりぎり通れる程度(~_~;)





ここにはめ込む蓋を作ります。断熱材で蓋を作りたいのですが、断熱材だけでは金具がつかないため、両面気密テープと片面気密テープを併用して薄いベニアを貼りつけます。
そこにまずは取っ手をビスどめ。


これをスポンジを押しつぶすようにして枠にはめ込み、最後にバーラッチを取り付けて完了です。


最後に通気パッキンにウレタンフォームを吹き付け。ちなみにちゃんと気密パッキンを使った場合でも、気密パッキンは断熱材ではないですので、気密の強化と断熱欠損の補修のためにウレタンを吹いたほうが良いです。

人通口は2か所ありましたので、蓋は2ケ所制作しました。

オマケ工事ですが、天井点検口が断熱タイプではなかった(一応気密タイプの模様)ため、天井点検口の上に断熱材を施工してきました。
写真のベニアの立ち上がりも、今回設置したものです。


ここにも人通口の蓋と同じような工程で作った断熱蓋を設置、写真は撮ってきませんでしたが、点検口の蓋を閉じて完了です。

もう一つ問題点、この部分の改修は一度壁を壊して直す必要があるため、かなりお金がかかるので今回は見送りました。

このお宅は木部と木部を金具でつなげる工法(在来木造は木と木を削って組み合わせる)なのですが、金具をつけるために削ったスリットに穴が残ってしまい、ここをちゃんとふさがないと壁の中に冷気が入り込んでしまいます。
床下から直接見える部分は直上に床板があるので気流は発生していないと思いますが、問題は基礎パッキンの直上。場所が確認できないうえにウレタンを吹き込むストローも届かないので、壁を壊さないといけません。
出来上がってからだと大変な工事ですが、床板を貼る前なら大工さんがちょいちょいと上からウレタンを充填するだけのことです。

このお宅は一応次世代基準を超える程度の断熱材を使用しており、数値だけを見ると長期優良住宅や認定低炭素住宅の認定も降りてしまいます。
しかし、基本的な知識が欠如していると暖かい家にはなりません。逆に言うと、最低限の断熱材を使用しても、使い方さえしっかり押さえておけば結構温かい家とすることができます。

大工さんは気密・断熱のプロではありません。しっかり勉強している大工さんもいることはいますが(きゅうでんさんなど)かなりレア。こういう知識はやはり元受けの施工会社がしっかりと勉強・理解するべきです。
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